かゆくなる

阿藤森(あとうりん)さんところから
http://d.hatena.ne.jp/atohrin/20060604

 蚊に刺された。




 かゆい。



 こんなときはキンカン


 この臭さがたまりません。

 そんなわけで既に夏に突入しようとしているようなんだが、実は僕は年に1回しか痒くならない。ただ1回だけ、その年の初めに刺されたときだけは痒くなるのだ。それ以降に刺された場合は一切痒くならない。痒くならないどころかツベルクリン反応のような腫れも起こらないのだ。ただ蚊が刺して満腹になり逃げていくだけ。だから一人暮らしをしているときには虫刺されの薬を持っていなかった。痒くならないのだから必要ないのだ。それ故、友人が遊びに来るときには「この家には虫刺されの薬すらないのかぁあああああ!」と発狂しそうな勢いで怒られることもしばしばあった。無論付き合っていた彼女が居るときも同様で「かゆいかゆいかゆい!もうぅうあぁぁああああああああ!」と泣きそうな顔で刺されたところを掻きむしっているのだった。それを見るにつけ、毎年毎年申し訳ないような気持ちになる。でもそれ以上に”たかだか虫刺され薬ごときで発狂しそうなくらいに掻きむしる人”を見るのが楽しかった。何が苦しいんだろう?ほっとけばいいのに!位に思うのだ。そういう意味では「薬がないこと」よりも「刺されて苦しむ人を楽しむ自分」が居ることに対し、非常に申し訳ないと思うのだった。反省。
 それはそれとして、痒くならない人というのはどれくらい居るのだろう?少なくとも同居している兄弟については痒くなる人種のようだ。特に弟はよく刺されるらしく、必要以上にベープの類を使うし、外出するときも虫刺され薬を常備している。彼が浪人時代に名古屋にある僕の下宿に遊びに来たときにも、夜中に突如起き出して掻きむしっていたように記憶している。苦労が絶えない奴だと笑ったが、虫刺され薬を常備するようになったのもこのときの体験が原因だったのかもしれない。大変申し訳ないことをした。ちなみに同居している弟の彼女が痒くなる人なのかどうかは知らない。道民にとっての初めての夏だから、もしかしたら痒くない人なのかもしれない。痒くならない人の話に戻そう。年に1回だけ痒くなるということからも、免疫系がしっかりと働いて蚊の出す毒に対する抗体が出来ているのではないかと思う。そうなると、僕の血液をアレしたりコレしたりすればワクチンとか作れるんじゃないだろうか?蚊に刺される前と後で調べれば済むはずだ。それが出来れば現代医療に貢献できるかもしれない、多分だけど。ただ問題は「蚊ごときで予防接種受けようなんて奴はいるのかどうか」ってことか。コストパフォーマンスを考えたら虫除けやら虫刺されやらの方がよっぽど安いはずだし、確実性が高い。
 現代人の生活習慣により花粉症が広まったのは結構有名な話だが、もしかしたら蚊に刺されて痒くならないのも同じ理由なのかもしれない。単純に免疫系が過剰反応した結果としてクシャミが出たり熱が出たりする。それと同じ理屈で痒くなっているのだとすれば、僕の体は花粉にも蚊にも構っていられないほど重要な疾患が存在してて、それ故クシャミも痒みもないのかもしれない。それはそれでとても怖いのだけど、先月に受けた健康診断では運動不足以外はなんの問題もなかった。まだ今年は痒くなっていない。痒くなったら僕の夏が始まるんだ。