僕らはもうダメだ

 お家に帰るとリヒングのテーブルに「入院の手引き」なる冊子が…。「あぁ、ついに俺も黄色い救急車に乗って窓のないお部屋で暮らすのかな?」と覚悟を決めようとしていたところ、弟ちゃんが「網膜剥離になっちゃったテヘ」などと突拍子もないことを言う。あれか、ボクサーを引退に追い込む恐ろしいあれか。しかし一介の歯科医である彼の身に何があったのだろう?それほどまでに危険な職業なのか?と少ない脳みそをフル回転してみたところで答えなんか出るわけもなく。どうも日曜に入院、月曜に手術だそうで、もう何が何だか…。誰かが良くなると誰かが病気、我が家は必ず不健康。